地獄の返品女アザミ

思い出を食べて生きている

ヴィンセントとの出会い

前回のブログから日数経っちゃった。
弟のカインは喧嘩の怪我で顎を骨折して、ここ最近手術のため入院中だったんだけど。
ちょうどブラジル人の彼女が遊びに来る日と被っちゃって、可哀想だから私が一緒に遊びにってたりして忙しかったんだ。

普段は人の恋愛に口出ししない主義なんだけどさ。
たった2週間しか日本にいないのに、毎日朝から面会時間ギリギリまでカインと一緒にいてくれて...
もう本当にお利口ちゃん!

身長は150cmくらいしかなくて、信じられないくらい白い肌にブルーアイ、お手てもすっごい小さくて妖精?雪ん子ちゃんの擬人化??って言うくらい可愛いの!!
私もお母さんももうメロメロ❤︎
モデルさんとかもやってる可愛いちゃんなのに、なんでうちのクソプー太郎と付合ってるのか殆疑問だよ。

というわけで、馬鹿カインにばかり時間を割かれるのは可哀想なので彼女ちゃんと遊んでました。

先日行ったドッグカフェで爆睡してる犬がいたから、彼女ちゃんとぬいぐるみを乗せてみた。



そんな近況報告は置いておいて。


ヴィンセントとの出会いは電車だった。

いつもよりも1つ早い電車で出勤した時に「名前を教えてください」と、声を掛けられた。
彼は痩身でブルネットヘア、ブラウンアイ、笑うと少し子供のような顔になるフランス人。

私は出会った人に気安く名前を教えるほどアホではないし、「満員電車なのにうるさい奴だな」と心中考えていた。
彼は空いた席をサッとキープして、空いた席から少し離れた私をエスコートして座るように促してきたけど、日本では電車の座席は男女平等。
私は空いた椅子の前に立っていた男性に睨まれてしまい、非常に恥ずかしい思いをした。
彼は「また明日会えますか?」と言って、品川駅で降りていった。

私はそんな出来事は次の日にはすっかり忘れて、いつも通りの時間に電車に向かったんだけど、ヴィンセントはバラの花を1本持ってホームで待っていた。
外人って本当にバラの花をプレゼントするんだね。
それとも日本人受けすると思って買ったのかな。

その次の日も、彼は花を携えて待っていた。
私はようやく、ヴィンセントと話してみることにした。

彼はフランスの壊した教会のステンドグラスを加工して売ったりしてると言っていた。
この話を聞いて、なんだか素敵な仕事だなと思ったのを覚えている。
彼の少し憂鬱そうなビジュアルに合っているとも思った。


結論から言うと、ヴィンセントとはお付合いには至らなかった。
4回デートに行ったけれど、なんだかピンとこなかったのだ。

ヴィンセントはとにかく優しかったし、欧米人のエスコートはお姫様になった気分になれて心地が良かった。

ただ何か...たぶん、ヴィンセントの持つ雰囲気が好きではなかったのだと思う。
彼は整った顔つきをしていたけれど、何か悩んでいるような少し神経質な空気を纏っていた。
物事を深刻に考え過ぎる面があり、少々悲観的で嫉妬しやすいタイプだった。

よく思想や政治について深く語り、私にも意見を求めた。
私は「政治と宗教の話は他所様でするもんじゃない」と教えられていたからさ。
意見の対立に冷や汗をかいたけれど、彼はディベートを楽しんでいるように見えた。

彼との会話はいつも少しの緊張感と遠慮と毒っ気が漂っていた。
それも、1、2回のデートは物珍しくて楽しめたけれど、これが永遠に続くのかと思ったらなんだか疲れてしまった。

神経質な人に政治や思想を思いのまま語れるほど私は大らかでも腑抜けでもない。
ヴィンセントとの未来はないなと思い、彼と付合うことはなかった。


ヴィンセントとの出会いでわかったことが2つある。
① 片言でも意思の疎通に問題はないこと
② 欧米人と付合うと、プリンセスになれると言うこと


アザミはプリンセスになることに決めた。


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アドラー心理学のクソバカ

アドラー心理学って流行ってるの?
聞き齧った情報だと、なんだか随分とポジティブで良さそうな考え方だと思って本を読んでみた。


私は全くピンとこなかったね。

先ずは「課題の分離」の意味がわからん。
世の中は分離できる課題ばっかりじゃないんだよ。

どこからどこまでが課題なのかの線引きもわからない。
例えば我が子に勉強をさせる場合は、
① 勉強の大切さを教える
② 勉強しないとどうなるか教える
③ 勉強時間を決めてあげる
④ 勉強するように声をかける
⑤ 塾に通うお金を工面する
⑥ わからない問題を一緒に考える
どこまでが親の課題なのか?

勉強するかは子供の課題だから、子供が将来ルンペンになっても私には関係ないって感じでいいのかな。
多分なんにも言わないで放っておいたら、物凄く無学な世の中になると思うんだけど。


「育った環境で人生は決まらない」も意味不明だよね。
人生は育った環境で決まるだろ。
マニラのゴミ山で生まれた少女と、ドイツの医者の息子に同じチャンスが与えられてるとは思わない。
人生は生まれながらにして不公平なんだよ。
「全ての人間は対等」ではない。
対等にあるのは死だけだ。


「トラウマは存在しない」も意味不明
例えば私は父親が苦手だ。
子供の頃から下らないイジメばかりされていたからね。
アドラー的に言えば、それは「私が父親と接点を持ちたくないから、過去をダシにして自ら苦手意識を持っている」っていう事なんでしょう?
いや当然でしょ、接点持ったら面倒ごとに巻き込まれるのわかってるから苦手なんだよ。


アドラー的には、例えば親を喜ばせたいと勉強に励むのも、家族の為に身を削って働くのも間違いなんでしょう?
アホかよ、正解だよ。
誰かのために頑張って何が悪いんだよ。


「自分の幸せを追求するのが人生」というのは確かに賛成。
でも例えば、私が少年性愛者で子供を拉致監禁しており、家の裏庭の桜の木の下には以前大人になろうとした少年4人が埋まっていて、その木に毎日水をやるのが私の至高の幸せだとしたら、それを実行しても良いのだろうか。
誰にも見つからなければ、私はこのまま幸せに暮らせるとして。



私の上の弟カインは「アドラーを地でいく輩」だ。

カインは子供の頃から変わっていた。
カインには善悪という概念がなく、常に自分の都合のいいように考えて平気で嘘をつき、いつでも機嫌良さそうに口笛を吹いている。

現在カインは今大怪我をして手術のため入院しているんだけど、昨日も見舞いに行ったときに「え、別に大変なら来なければじゃん。好きで来てるくせに文句言われてもねえ。心配してくれなんて言ってないし。」と発言していた。

すごいアドラー的発想だよね。
こいつが人間の真理なのかと思うと腹がたつよ。



多分私は思想家があまり好きではないのだと思う。
自分で勝手に考える分には一向に構わないけれど、その考えこそが人間の真理だと決定づけるのはどうかと思うよ。
それって「人生とはどういうものか考える」という他人の課題に踏み込んでいる事にはならないのかね。


あとは大体どいつも考え方がちょっと気持ち悪いよね。
偏屈というか...だから何?というか。

フロイトとかは頭大丈夫かなって心配になるよ。



アザミは人生に真理なんかないと思う。

みんなある程度のルールの中で好きに生きればいいんじゃないかな。

避けようのない不幸の元に生まれてしまった人は残念だったね。
可哀想だけど来世に期待だね。


最近「アドラー心理学」のワードをよく見かけるので、流行乗ってみましたとさ。

それじゃ!

束縛男H ③

「束縛男H①」で書いた通りHは大変お喋りな男だったので、Hの付き合った女性6人のプロフィールから付き合った経緯まで全部聞かされていた。
全く興味がないので殆ど覚えていなかったけれど、適当に相槌を打っておけばHは満足そうだった。

中でも「別れざるを得ない状況で別れたことはあるけど、自分は振られたことがない」「別れた女性に連絡を取ったことはない。自分のプライド的にそれはあり得ない」との話はよく聞かされていた。

確かにプライドだけは高い男だったので、その話は本当だろう。
「振られたことがない」は都合のいい解釈をしてるんだろうとは思ったけどね。


ところで、ディズニーシーとミラコスタに行った時の話なんだけどさ。



〜 エピソード① 〜

ミラコスタに泊まると開演時間よりも15分早く入園で来るんだけど、どうする?」とHから前々日くらいに連絡が来た。

Hはもらえる特典はフルで活用したいタイプなのは知っていたけれど、私は朝一から夜まで楽しめるほど体力はないので「昼くらいの入園でいいんじゃないかな。前日も仕事で疲れてるでしょう」と柔らかく断りを入れた。
選択を委ねられたので、好きな回答をして良いと思ったんだ。

そうしたら15分前に入園することのメリットを延々と説明され、「こういうメリット全部捨てちゃうことになるんだけど、どうする?」と再度こちらに質問をしてきた。
なんだよその質問の仕方は...と思ったけれど、アザミは大人なので「私は昼からで良いと思うんだけど、Hさんが早く行きたいならそうしよう」と優しい回答をしたのに、どうやらそれでもダメらしい。

Hは私が早く行きたがっているという程が作りたかったのだ。

「僕は早くても遅くてもいいんだけど、折角なのにアザミちゃんは早く入園しなくていいの?」と食い下がられ、だから昼からが良いって言ってるだろ!と内心吠えたけれど、私は天使の心を持って「任せるよ」と震える指先で答えた。

そうしたらHはなんて言ったと思う?
「アザミちゃんは素直じゃないからね、早く行きたいなら素直にお願いしていいんだよ」と...
あの時は白目をむいてぶっ倒れてしまったよね。

どんだけチンケなプライドしてたらそんな返事になるんだよ!




〜 エピソード② 〜

パーク内で良い年こいてベタベタしてくるな。
「あーん」なんて以ての外だ。
飲み歩きしてる赤ワインのグラス(プラスチック)を小指を立てて持つんじゃない。



〜 エピソード③ 〜

Hはよく「自分には特別な力がある」などとスピリチュアルなことを抜かしていた。
この日は晴れたり曇ったり雨が降ったりしていたんだけどね、室内のショーを見る時に丁度曇天から雨が降り始めて、ショーが終わって室内から出る時にこれまたタイミングよく雨が上がって空が見えたんだ。

普通だったら「タイミングよかったね、ラッキー!」でお終いでしょう?

ここでもH節、「僕ってこういうことばっかりなんだよね。こういうショー(雨や雷などが降って最後は晴れる内容だった)の後、それが現実になっちゃうっていうか...」などと供述しており、こちらは「へー...」としか答えられない状況に追いやられてしまった。

ショーは300人くらい見てたんだけどね。

彼の自信と誇りに満ちた顔を見て、つくづく変わった奴だなと感心してしまった。



〜 エピソード④ 〜

ねえねえ、皆さま方はディズニーに遊びに来てミラコスタに泊まったらどこでご飯食べる?

私の感覚的には、ディズニーに来てミラコスタに泊まるなら夕飯はホテルのルームサービスかホテルについてるレストランで食べるんだ。
若しくはパーク内のレストランで食べても良いよね。



ちなみに私はカップ麺を食べました。
ミラコスタのホテルの部屋で、ラ王を食べました。
お腹が空いていたのでカップ麺のスープを飲もうとしたら「スープは飲んじゃダメ!塩分が沢山入っていて体に悪いんだよ!」と言ってトイレに捨てられてしまいました。

朝ごはんもカップ麺でした。
朝はカップヌードルでした。



私は何度も言ったんだよ、「私が出すから、レストランに行こう」って。
でもHは「年下の女の子にお金は出してもらえないよ〜」と言って取り合ってくれなかった。

他の日のデートを節約にしてでもね、この日はレストランに行くべきだったと思うんだ。(とは言えHとの普段のデートなんて、家で作る食材くらいしかかかってないけどさ)
ミラコスタカップ麺啜ることほど惨めなことって他にある?

あんまりの出来事だったんで隙を見てお母さんに電話で報告したら、信じられないくらい大爆笑してたよね。


Hは相当な健康オタクだった。
私は当時気分の良い時だけタバコを吸っていたんだけどもちろん辞めさせられたし、お酒も3、4杯で「これ以上は飲まないで!」と言われた。
タバコは笑えるくらい毛嫌いしていて、喫煙所があればかなり離れたところから息を止め、血走った目で走り抜けていた。
あれは多分、一種の強迫観念だったんだろうね。

でもさ。
だったらカップ麺なんか食わせんじゃないよ!
カップ麺にしたなら汁くらい飲ませろ、この唐変木!!



〜 エピソード⑤ 〜

もう一個質問なんですけど、初日にディズニーシーに行ったら、次の日は皆さま方ならどこに行く?
普通、ディズニーランドに行くよね。
でもシーでやり残したことがあったり、もう一度見たいショーとかがあればもう一回シーに行ってもいい。


ちなみにアザミは帰りました。


Hはミラコスタに泊まったら次の日もパーク内に入れると思っていたみたいなんだけど、当然チケットを持っていないんだからパーク内に入れないよね。
もう一枚買わなきゃいけない事がわかった瞬間、Hは突然クロベエさんの心配をしだして「今日はもう帰らなきゃ」と言い出した。

いやいや、クロベエさんは車で5分の実家に預けてきたじゃない。
第一クロベエさんだって元々実家に住んでたのを連れてきたんだから、今頃ご実家でノンビリしてるでしょ。

これ以上一緒にいるのも苦痛だったから良いんだけどさ。
その天晴れな浅ましさに、アザミは非常に救われた。


「この男は完全に私とは違う感覚の人間だ」と強く思った。

そしてHのことは変わった奴だという興味の対象から、今後二度と接点を持ちたくない人物となった。


Hと会ったのはこれで最後になる。


Hはその後も変わらず毎日メールを寄越していたけれど、私は完全に嫌になってしまっていたので無視をしていた。
それにもかかわらず、2週間くらい一方的なメッセージが続き、「僕の誕生日はアザミちゃんのプロデューす?」というメールで遂に私は降参した。
無視をされているのにもかかわらずメッセージを発信し続けられる精神力と、この状況で自分の誕生日を祝ってもらえると思って仕事を休むそのポジティブさに心底感服した。

完全に私負けだ。


「やっぱり千葉には行けません。荷物は捨ててください」とだけ送って、以降何も返信しなかった。
何か恨みがましいことを言われた気がするけれど、ここの部分の記憶がポッカリ消えており詳細を思い出せない。

その後Hは2年間ほど正月と誕生日に未練のあるメールを寄越したけれど、それ以降は何もアクションはなかった。
別れた女性に連絡をするのはプライドがうんちゃらと言っていただけあって、引き際は良かった。

初めての婚活でのお付合いはこれでお終い。


鳥の死骸事件とかゴディバ事件とか、Hについてはまだまだ言いたいエピソードが沢山あるけれど、一先ずこれくらいにしておく。

また機会があったら書くよ。

それじゃ!


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束縛男H ②

目に見える愛とは、時間・体力・お金の三本柱だ。
だけどもう1つ「自由を認めること」、これが私にとっては重要だったということを、Hによって思い知ることになる。


それまで経験したことがなかったのでわからなかったけれど、今思うとHは完全に束縛男だった。

Hはよく「片時も離れたくない」だの、「どこに行くのも一緒」だの、「家の外に出したくない。誰にも見せないで、僕だけのアザミちゃんにしたい」などと気味の悪いことを言っては私を困らせた。
また、付き合って1ヶ月を過ぎる頃には結婚、結婚としつこく迫られた。

私の職場は約24/25人が男という割合なんだけどそれがどうにも嫌だったらしく、早く仕事を辞めて家に入って欲しいと言われていた。
仕事がしたければ、自分の整骨院の受付を手伝って欲しいと。
だけど私はHの姿を目の端に映しながらニコニコ愛想を振るくらいなら、例え嫌われていても今の職場の方がよっぽどマシだと思えた。

そして最悪なことに、この整骨院は千葉のど田舎の森の奥にあった。
タクシーも人通りもなく逃げ出すことはできない。

アザミは車の免許を持っていない。
免許がなきゃ此処には住めないね、と言ったら「アザミちゃんは車の免許取っちゃダメだよ。行きたいところは全部僕が連れて行ってあげるから、大丈夫」と返された。


ゾッとした。
この森の中に幽閉されてしまう、と恐怖を覚えた。
この男は本当にガラスケースに私をしまい込む気かもしれない。そう思った。


そういえば、Hとは一度だけ喧嘩をしたことがあった。

当時私が住んでいたマンションの近くはルンペンっぽい人が結構いたんだ。
ある日Hとお祭りに行く途中に、時々見かけるルンペンが車道で突っ伏しているのを見かけた。
このままじゃ雑巾と間違えられて車に引かれるかもしれないなと思って、ダメ元でひっくり返して声をかけたらルンペンは目を開けたのよ。
多分熱中症だと思って「憩いの広場」っていう区民なら(ルンペンが区民かは怪しいけど)誰でも入って休憩できる広場に連れて行って水を飲ませてやったり、擦りむいた膝洗うように指示をしたりしていた。

Hがちょっと離れたところでシラっとしていつのに対してちょっとどうかと思ったんだけど、これは私の勝手でやっていることだからまあいいとするよ。

私もルンペンにばかり構ってられるほど暇ではないので、椅子に座らせて帰ろうと思ったらルンペンは「お礼」と言ってポケットからくしゃくしゃの1000円札を私に寄越そうとしたの。
そんなの貰えないよね。
アイスでも買えばいいよ。

ルンペンは「これでも昔は稼げたんだ。俳優をやっていた。今はこんなに格好悪くなっちゃったけどね。」と言って私に無理にお金を持たせようとした。
ルンペンはよく見るとジャン・レノに顔も声も動きまでかなり似ており、なるほど、確かに俳優だったんだろうなと思わせるような出で立ちだった。

「おじさんジャン・レノにそっくりだね。モテたでしょう?」と言ったら、ルンペンは「うん、よく言われてた」と嬉しそうに笑っていた。
私はなんだか居た堪れない気持ちになって「じゃあね!」と言ってお金を置いてそのまま小走りに逃げた。
あのシワになった1000円札は貰っておくべき物だったと、今でも少し後悔している。

Hも少し離れた所からルンペンに会釈してついてきた。

その後だよね、大変だったのは。
「あんな男のどこがイケメンなんだ。第一距離が近過ぎる。他の男ともあんなに近くで話をするの?僕がいるのに!あの男に惚れたの?どうなんだ!」みたいな事をすごい剣幕で詰め寄られた。
「どう考えてもルンペンに惚れるわけないだろ。第一私は誰にも惚れたことはない。お前も例外ではない。」と伝えたら、Hは湯気が出るほど怒り大声で喚きだしたので、私は家まで走って逃げて鍵とカーテンを閉めてハムスターを触っていた。

家の前に来て大声出されたら堪らないなと思っていたけれど、1時間経ってもHから連絡はなかった。

さすがに帰ったかな?と思ってカーテンを少し開けたら、マンションの前の駐車場でケータイを弄っているHが見えた。
まずい、これじゃあ一生家から出られない。何とかせねばならんな、と思いこちらから電話をする事にした。

電話はすぐに繋がり、今日はもう帰るように伝えたんだけど、Hは「どうして?逃げるってことはやましい気持ちがあるんでしょう?とりあえず出てきて、話そうよ。」との事で、このまま帰る気は更々ないようだった。

埒があかないのでカフェで話し合いの場を設けたんだけど、Hは人の話を全く理解しない様子で「まあいいよ、許してあげる」と困ったような呆れたような顔をして言い放った。

それは「心の広い自分は愚かな女を許してやった、やれやれ」と思っている顔だった。
その様子を見たときに「こいつはヤバイ、同じ人間ではない」と本能が言っているのを感じた。


この時別れれば良かったんだけど、Hに「次の月にディズニーのミラコスタに行く約束してるよね?」と話を持ち出されて、確かに約束は守らなくちゃダメだな...と思ってしまったんだ。

変なところが律儀なんだよ、私は。


そのミラコスタでHに本格的に嫌気がさして別れることになるんだけど、その話はまた明日。
それじゃ!

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束縛男H ①

人の愛情をはかるのは簡単だ。

時間・体力・お金をどれだけ費やせるか、本当にただそれだけだと思う。

大抵の場合、どれも愛しい我が子には惜しみなく注がれるものだ。

 

Hは私が23歳の時に婚活で出会った男だ。

Hは精悍な顔つきに似合わず、とにかくお喋りで自意識過剰な男だった。

どれくらい語り野郎かと言うと、産まれてから現在の彼に至るまでの人生を、出会ったその日の帰りには全て知っていたくらいだ。

彼の人生を要約すると、始めにコピーライターになったけれどツテで台湾の日本語学校の先生になり、その後親の金で柔術整復師の資格を取って、親にもらった土地に親に借りた金で整骨院を建てた、ってことろ。

それらはさも素晴らしく数奇な人生であるように熱心に語られたけど、私は4時間近くあくびをかみ殺すのに必死だった。

あくびしても良かったんだけどさ、初対面で失礼かなと思って。

 

この後もHからの猛烈なアプローチは続き、なんとなく付き合うことになる。

私はいつも「来るもの拒まず去る者追わず」のスタンスだ。失うものがない場合はね。

 

Hは時間と体力は惜しげも無く捧げる男ではあった。

身体がダルいと言えば、片道3時間かけてマッサージをしに来て(さすが整骨院院長)また朝方去っていくような優しさもあった。

 

ただ「いつもずっと一緒だよ」と言われたり、「アザミちゃんをガラスケースに入れておきたい。天気がいい日に風を通したり、羽の埃落としで磨いたりして世話をしたい」と言われた時は、本当に気色の悪い奴だなと思っていたけどね。

あと、カジュアルなレストランとかだと奥のベンチタイプの席に並んで座りたがり、30代後半にもなって「あーん」とか平気でやってくる姿には殺意を覚えていた。

 

さらに、Hはクソドケチな男だった。

初めて会った日、私が夕飯のお礼にと買ったコーヒー代の領収書まで貰っているのを見た時は、その浅ましい発想に目から鱗が落ちた。

外食は非経済的だと思っているようで、ロマンチックな夜景を見た後でも、そそくさと家に帰って食事を作る。まあ作ってくれるんだから文句はないんだけどさ。

 

一番せこいなと思っていた話は、Hは必ず片道3時間かけて私を最寄駅まで送り迎えしてくれるんだけど、絶対に駅は出ないの。

Hの最寄り駅は無人改札だから、ICカードを通さなければ無銭乗車する事が可能だからだ。

信じられる?

仮にも先生と呼ばれる人だよ?

整骨院なんて人気商売なんだから、地元で噂が回ったら自分の経営に響くってどうして気がつかないのか不思議だった。

そういう狡いタイプが私の人生にはいなかったので、非常に物珍しい気持ちで付き合っていた。

 

それとHはマザコンだと思う。

いわゆるママの言うとおりタイプでは無く、甘ったれた性格故にママの有難さが分からずに横柄に振る舞うタイプ。

よく「自分の力でここまで上り詰め今がある」と語っていたけれど、それは違うだろと思っていた。

Hは社会人になってもなお親の脛かじって学費を出してもらい、土地をもらい、お金を借り、毎日手作りのお弁当まで家まで届けてもらって、挙げ句の果てには「母親は専業主婦で誰も雇ってくれないけれど、自分は経理事務の手伝いだけで8万円もお小遣いをあげている」などと宣っている、最強の甘ちゃん野郎だ。

付き合ってHの家に行く度に、こいつは本当に謙虚さのカケラもない親不孝な奴だなと、Hの両親を哀れに思っていたものだ。

そんな甘ちゃんに育てたのはその親なんだから、どんな扱いを受けていようが私には関係ないんだけどね。

 

あ、それと誕生日プレゼントも酷かったな!

私の24歳の誕生日に貰ったものは、K10に1ctのイミテーションダイヤがついたネックレスと、お揃いのイミテーションダイヤで囲まれたブレスレット。

イミテーションダイヤならそう言えばいいのに「すごく高かったけど頑張った」みたいなことを言って、恭しく渡されたのも腑に落ちなかった。

もしも私が本物のダイヤだと信じてこの先ずっと大事にしていたら、罪悪感に苛まれないのかな。

第一に私はお母さんの影響でジュエリーには煩く、K18以下は金だと認めてないしイミテーションダイヤなら貰わない方がマシだと思っている。

まあ本物だとしても24歳の誕生日にそんなギラギラしたアクセサリーは不相応だよね。

 

とにかくこの時は、「プロフィールに書いていた年収よりも、実際はもっと稼いでいる」などとよく自慢してきてたものだから、随分と恩着せがましい事を言うものだと感心してしまった。

 

金持ち自慢することが悪いとは思わないけれど、見合ったお金の使い方じゃない人はみっともないよね。

 

この男はいくら素晴らしい物語を語ったところで、当の本人は随分と格好の悪い人物だなと思いっていた。

 

 

 

本当はクロベエさんの写真を載せたいけど倫理的にダメだろうから、当時飼っていたハムスターのユキちゃんをお見せするよ。

f:id:Pollyanist:20190708185101j:image

ユキちゃんのこと大好きだったな。

白い生き物って大好き。

 

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続きはまた明日かくよ。

それじゃ!

アザミ、婚活を始める

私は一定層の女性から嫌われるきらいがある。
学校でもそうだし就職先でもそうだけど、声が大きめな女性グループには大抵嫌われる。

私は18歳の時に公務員に就職をしたんだけど、案の定以上のタイプの女性様グループに目をつけられた。
女性様グループのうち私を嫌っていたのは3人だったと思うんだけど、そのうちの1人は本当に私のことが大嫌いなようで、毎日イライラしていて可哀想だった。
だってどっちが悪いにしろ、大抵の人は若くて権力振りかざしてない可愛い新入の肩を持つでしょう?
そういうのも、きっと鼻についたんだろうね。
随分な事を色々やって頂いたけど、どれも下らない話なので省略する。

そんな感じで5年くらい働く内に、いつ仕事を辞めてもいい後ろ盾が欲しいなと思うようになった。
いくら私が鋼鉄の女だとしても、やっぱりふと疲れてしまう日もあるのだ。

職場の人を恋人にするのは嫌だった。
この状況を知っていて声をかけてくる男は「可哀想な女の子を守る...俺!」みたいなタイプに見えてしまったからだ。(実際はどうかわからないけど、Aの影響でそうなっていたのだと思う)
職場で余計な噂を立てても仕方がないしね。
それに弱ってる時に声をかけてくる奴なんて、どうせロクでもない。


当時アザミは23歳、婚活を始めることした。

まだ大手婚活アプリなどはなかったので、Yahoo!のお見合いサイトに登録した。
それこそ毎日、見きれないほどの人から声がかかった。
それまで全く意識していなかったけれど、初めて若さの持つ威力に気が付いた。
そして、若さに釣られて寄ってきただけの男から、どうやって私を一番に愛してくれる人を見つけたらいいのか途方に暮れた。


婚歴に死別がある人は除外した。死人は美化されやすいし、今後死人と比較されても困る。
当時のアザミの年収は500万円。
自分の年収で大人を養うのは難しいと思ったので、男性には自分以上の年収にを求めた。

それと結婚生活で一番重要なのは「金銭感覚」が合うかどうかだと思う。
初回デート代の欄が「相談して決める」の人は除外した。こう言う奴は一番最悪だ。
何を相談するんだよ、アホか!
ご馳走する気概はなく、かと言って割り勘と書くとモテなそうだなあと思ってるセコい根性が丸出しだ。私の好みじゃない。
「男が多めに払う」も除外した。
小銭払ったくらいで奢ってやったと思うケツの穴の小さい男の可能性が高い。
「割り勘」は当然だよね、初対面なんだから。
「男が全部払う」は太っ腹だと思うけど、初回デート代だけ全部払うことで票を集めてる可能性がある。
記載なしが一番良いと思った。
お金のことを書くなんて無粋だ。価値観が近い。
ということで、「割り勘」「男が全部払う」「記載なし」に絞った。

それと、登録が1ヶ月未満の人に絞った。
長くいて恋人が1人も出来ないなんて、どうせ魅力なしに違いない。

外見も拘りがあった。
とは言っても、私は好みが変わっているようなのでいわゆるイケメン狙いではないと思う。
アザミが好きな芸能人は、所ジョージウド鈴木江頭2:50
明るく朗らかで、瞳の奥が精悍に輝いている男が好みだ。(江頭は朗らかじゃないけど)

そういえば、幼稚園の頃やっていた「ウリナリ」で、ウドちゃんが毎回その週のマドンナに振られるコーナーがあったんだよね。
それを見る度に、早く大人になって私がウドちゃんと結婚しなければ!と思っていた。
こんなにいい男を振るなんて、世の中の女性はバカだと思っていた。
現実はウド鈴木と出会うきっかけなんか無かったんだけどね...ウドちゃんが結婚した時は本当に悲しかったよ。


婚活を始めて1週間で、良いなと思う人を決めた。
その人も私と同じに日に登録をしていて、1週間毎日熱心なメッセージをくれた。
その人を選んだきっかけは犬だ。
彼は虐待されていた黒い大きな犬を拾って飼っていたのだけれど、その犬はとにかく素敵だった。
いくつかアップされていた写真は、どれも少し悲しそうな顔をして遠くを見ていた。
犬の名前は「クロベエ
良いネーミングセンスだし、彼が飼犬を「クロベエさん」とさん付けで呼んでいるのも気に入った。

彼は15歳年上、整骨院の院長で容姿はガッシリとした体に少しきつい瞳の顔が乗ってた。
一般的に割と良い顔なんだと思うけど、私は彼を見るとなぜか靴の裏とゾウリムシを思い浮かべてた。

これが束縛男Hとの出会いだ。
続きはまた。


iPhoneでイラスト描いてみた!
あんまり絵は得意じゃないんだけど、描くのは結構好きみたい。


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今日は頑張ってたくさん書いたから、7回押してね。

それじゃよろしく!

初めての恋人A

Aはけたたましい人物だった。

この時アザミは19歳、愛情と偽善の区別がつかないバカ者だった。


Aは私が望むことはなんでもしてくれた。
お腹が空けば食事を作ってくれたし、喧嘩をしたら花や小さなプレゼントが送られた。
気紛れでフレンチが食べたいと言えば、当時の2人に年齢とっては随分と背伸びをしたレストランに連れて行ってくれた。
若さ故の情緒不安定な私が電話をすれば、どんなに夜中でもバイクで飛んできた。

ここで私の「尽くされて当然」という価値観が構築されてしまったんだろうね。

Aの生活は退廃的で、大抵は窓際でタバコを吸い冷蔵庫にはビールと海洋深層水と乾燥ワカメしか入っていないような奴だった。
少し常識から外れた考えをべらんめえ調で話し、いつも飄々とした様子でいた。
そこがロクでもないところであり、Aの魅力でもあったと思う。

当然だけど、まあ良いとこばかりじゃないよね。
酒癖が悪かったり、本当は目立ちたがり屋だったり、上から目線のちょっとスカした喋り方は聞いていてみっともないなと思っていた。

確かにAにはとても世話になった。
病気で仕事に行けない時は衣食住の全てをAが世話していたし、それ以外もありとあらゆる方法で私を楽しませようとしてくれた。
Aには人に言えない弱みがあったので、そのせいもあって取分け私に優しかったのだろう。

当時は私を一番に考え愛してくれるのはAだと信じて疑わなかった。
だけど、酔った時にAが放った「こんなに貢いでやってるのに」という言葉で気が付いてしまった。
Aは「アザミのために生きる自分が好き」な部類の超マゾヒスト野郎だったんだよ!
貢いでやってる?そんな風に思っていた奴とつるんでいたなんて、自分はなんてバカ者なんだと本気で落ち込んだものだ。

以後簡単にまとめると、別れてまた付合ってまたまた別れて、二度と会いませんでしたとさ、お終い!


最後に会った時のエピソードだけ。
別れた後の話なんだけど、最後にデートがしたいってAから連絡が来た。あれは12月くらいだったな。
私は既に新しい恋人候補が2人いたんだけど、どちらにするか悩んでいたのと懐かしさも手伝って行くことにしたんだよね。
よく考えればわかることなんだけど、Aは寄りを戻す気で誘っており、それを食事の帰り道で伝えられた。
私は内心(参ったな、面倒だな)と思ったけれど、極力顔には出さずにもう心が離れているので戻る気はないことを伝えた。
そうしたらさ、Aったら「じゃあなぜ来たんだ」と怒って泣いて、プレゼントに買ってきたフルーツのバスケットを汐留駅のゴミ箱にダンクシュートしたの!
私フルーツって大好きだから、すごく勿体無くて...フルーツに罪はないのに、なんて酷い奴だと思ったよ。
でもなんかそのお怒りの様子が可笑しくて可笑しくて、笑いが止まらなくなっちゃってさ。
Aはそのまま怒り狂って電車に乗って帰ってしまった。
今思うとAも本当に災難だったよね。
何年も付合ってたくさん思い出があるはずなのに、Aを思い出そうとすると最初に浮かんでくるのはダンクされた哀れなフルーツたちの姿なんだ。
それがAとの最後だね!

Aと行ったバラ園の写真をどうぞ。


本日の教訓。
女に惚れている男なのか、女に尽くしてる自分に惚れてる男なのか、キチンと見極めないと後々痛い目にあうよ。
そういう男といると「不倫に燃える俺」とか「愛する恋人を置いて突然旅立つ俺」みたいな俺美学に付き合わされる羽目になるよ。
いつまで「女に尽くす俺」ブームが続くかなんてわからないからね!




今日はここまで。

それじゃ!

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昨日5回押してって言ったのに、みんな押してないでしょう!