地獄の返品女アザミ

思い出を食べて生きている

ヴィンセントとの出会い

前回のブログから日数経っちゃった。
弟のカインは喧嘩の怪我で顎を骨折して、ここ最近手術のため入院中だったんだけど。
ちょうどブラジル人の彼女が遊びに来る日と被っちゃって、可哀想だから私が一緒に遊びにってたりして忙しかったんだ。

普段は人の恋愛に口出ししない主義なんだけどさ。
たった2週間しか日本にいないのに、毎日朝から面会時間ギリギリまでカインと一緒にいてくれて...
もう本当にお利口ちゃん!

身長は150cmくらいしかなくて、信じられないくらい白い肌にブルーアイ、お手てもすっごい小さくて妖精?雪ん子ちゃんの擬人化??って言うくらい可愛いの!!
私もお母さんももうメロメロ❤︎
モデルさんとかもやってる可愛いちゃんなのに、なんでうちのクソプー太郎と付合ってるのか殆疑問だよ。

というわけで、馬鹿カインにばかり時間を割かれるのは可哀想なので彼女ちゃんと遊んでました。

先日行ったドッグカフェで爆睡してる犬がいたから、彼女ちゃんとぬいぐるみを乗せてみた。



そんな近況報告は置いておいて。


ヴィンセントとの出会いは電車だった。

いつもよりも1つ早い電車で出勤した時に「名前を教えてください」と、声を掛けられた。
彼は痩身でブルネットヘア、ブラウンアイ、笑うと少し子供のような顔になるフランス人。

私は出会った人に気安く名前を教えるほどアホではないし、「満員電車なのにうるさい奴だな」と心中考えていた。
彼は空いた席をサッとキープして、空いた席から少し離れた私をエスコートして座るように促してきたけど、日本では電車の座席は男女平等。
私は空いた椅子の前に立っていた男性に睨まれてしまい、非常に恥ずかしい思いをした。
彼は「また明日会えますか?」と言って、品川駅で降りていった。

私はそんな出来事は次の日にはすっかり忘れて、いつも通りの時間に電車に向かったんだけど、ヴィンセントはバラの花を1本持ってホームで待っていた。
外人って本当にバラの花をプレゼントするんだね。
それとも日本人受けすると思って買ったのかな。

その次の日も、彼は花を携えて待っていた。
私はようやく、ヴィンセントと話してみることにした。

彼はフランスの壊した教会のステンドグラスを加工して売ったりしてると言っていた。
この話を聞いて、なんだか素敵な仕事だなと思ったのを覚えている。
彼の少し憂鬱そうなビジュアルに合っているとも思った。


結論から言うと、ヴィンセントとはお付合いには至らなかった。
4回デートに行ったけれど、なんだかピンとこなかったのだ。

ヴィンセントはとにかく優しかったし、欧米人のエスコートはお姫様になった気分になれて心地が良かった。

ただ何か...たぶん、ヴィンセントの持つ雰囲気が好きではなかったのだと思う。
彼は整った顔つきをしていたけれど、何か悩んでいるような少し神経質な空気を纏っていた。
物事を深刻に考え過ぎる面があり、少々悲観的で嫉妬しやすいタイプだった。

よく思想や政治について深く語り、私にも意見を求めた。
私は「政治と宗教の話は他所様でするもんじゃない」と教えられていたからさ。
意見の対立に冷や汗をかいたけれど、彼はディベートを楽しんでいるように見えた。

彼との会話はいつも少しの緊張感と遠慮と毒っ気が漂っていた。
それも、1、2回のデートは物珍しくて楽しめたけれど、これが永遠に続くのかと思ったらなんだか疲れてしまった。

神経質な人に政治や思想を思いのまま語れるほど私は大らかでも腑抜けでもない。
ヴィンセントとの未来はないなと思い、彼と付合うことはなかった。


ヴィンセントとの出会いでわかったことが2つある。
① 片言でも意思の疎通に問題はないこと
② 欧米人と付合うと、プリンセスになれると言うこと


アザミはプリンセスになることに決めた。


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